

フォークリフト操作を安全かつ効率的に行うためには、基本動作の習得が不可欠です。
後輪操舵による特性理解、なめらかな操作、1つずつの正確な動作、周囲確認の徹底など、基本のコツを押さえることで事故を防ぎ、作業効率も向上します。
本記事では、初心者から上級者まで役立つ運転・荷役のコツと、操作が上手い人の共通点、避けるべきNG行動を詳しく解説します。
目次
フォークリフト基本操作の”コツ”

“後輪で曲がる特性(外輪差)”に注意
フォークリフト運転の最大のコツは、後輪操舵の特性を理解することです。乗用車とは違い、フォークリフトは後輪で方向転換を行うため、外輪差が大きくなります。
この特性により小回りが可能になる一方で、車体後部が大きく振り出されるため、狭い通路や倉庫内での走行時には周囲への接触事故の可能性が高まります。
カーブや方向転換の際は、車体後方の動きを常に意識し、後方確認を徹底することが安全な作業の基本となります。特に直角やクランクでの旋回時は、後輪の回転中心を理解した上で、慎重にハンドル操作を行いましょう。
ハンドル・ブレーキ操作はなめらかに
フォークリフト操作の上達には、なめらかな動作も不可欠です。
急発進や急ブレーキは荷物の落下や車体のバランス崩壊を招き、危険な事故の原因となります。
ハンドル操作においても急旋回は避け、一定のスピードでゆっくりと回すことが重要です。特にカウンターバランスフォークリフトやリーチフォークリフトでは、荷物を積載した状態での急な操作は重心のずれを生じさせ、転倒の危険性を高めます。
発進時は徐々にアクセルを踏み、停止時も手前から余裕を持ってブレーキを踏むことで、効率的かつ安全な運転が実現できます。
同時操作をしない。1つの操作を正確に
フォークリフト運転時、前進しながらのリフト上昇、旋回中のフォーク角度調整など、複数の動作を同時に行うと、機械への負担が増すだけでなく、操作ミスによる事故発生のリスクが高まります。
効率的な作業を目指すよりも、1つの動作を確実に完了させてから次の操作に移ることで、結果的に安全で効率化された荷役作業が可能になります。この基本的な姿勢が、実技試験の合格にもつながります。
運転中は周囲・後方確認を徹底
工場や倉庫などの作業現場では、常に周囲の状況把握が必要です。
フォークリフトは運転席からの視界が狭く、特にマストやフォークに荷物を載せた状態では前方視界が遮られます。
前進時は荷物の位置を確認しながら、バック走行時は後方を目視で確認することが基本です。周囲に作業員がいる場合は一時停止し、安全を確認してから移動しましょう。
この注意深い確認作業が、接触事故や危険を防ぐ最も効果的な方法です。
フォークリフト荷役操作の”コツ”

フォークの爪は常に水平
フォークリフト操作で最も重要な技能の1つが、フォークを水平に保つことです。
フォークの爪の角度が前傾していると荷物が滑り落ち、後傾しすぎると視界が悪化し安全性が低下します。
荷物を持ち上げた後は、地面から10〜15cm程度の高さまでリフトを下げ、フォークを水平にした状態で移動するのが基本的な方法です。この感覚を身につけることで、パレット作業の効率が大幅に向上します。
講習や練習の段階から水平維持を意識することが、初心者卒業への近道となります。
パレットにフォークの爪を差し込むときは慎重に
パレットへのフォークの差し込みが浅すぎると荷物が不安定になり落下の危険があり、深すぎると奥のパレットや荷物を破損させる可能性があります。
木製パレットの場合は材質の特性上、強引な差し込みで破損しやすいため、特に注意が必要です。
パレットの中央に対してフォーク(爪)の先端を正確に合わせ、ゆっくりと前進しながら差し込むことがコツを理解すれば、荷役作業の効率化と安全確保の両立につながります。
パレットや荷物の種類を把握
効率的なフォークリフト作業には、扱うパレットが木製なのか、プラスチック製なのか、それぞれのタイプの重量、耐久性の違いを理解することが不可欠です。
荷物についても、材質、重さ、形状を把握することで、適切なフォークの差し込み位置や持ち上げ速度を判断できます。特に倉庫や物流現場では多様な荷物を扱うため、この知識が事故防止と作業効率の観点で重宝されます。
フォークリフトの最大荷重・許容重量を把握
フォークリフトの運転で絶対に忘れてはならないのが、機種ごとの最大荷重と許容重量の把握です。
カウンターフォークリフトの場合、後部の重量とのバランスで持ち上げ可能な重量が決まります。
許容荷重を超えた運搬は、車体の転倒や機械故障の原因となり、極めて危険で、多くの災害事例が報告されています。
作業前には必ず荷物の重さを確認し、フォークリフトの能力内で作業を行うことが、資格を持つオペレーターとしての基本的な責任です。
フォークリフト操作が上手い人・上級者の共通点

フォークリフトの免許を取得し、現場で作業を始めた後も、操作の上手い人と下手な人には明確な違いがあります。
では、操作が上手い人、上級者と呼ばれるオペレーターには、どのような共通点があるのでしょうか。主な共通点を3つご紹介します。
フォークリフト上達は基本に忠実&安全確認
フォークリフト操作が上手い人には、基本動作への忠実さと安全確認の徹底意識があります。
免許取得後の講習で学んだ基礎をしっかりと実践し続け、上級者ほど基本的な安全確認を怠りません。
乗車前の点検、作業中の周囲確認、適切なスピード管理など、教育で学んだ内容を現場で確実に実行することが、真の技能向上につながります。
周囲の状況を常に確認・注意フォークリフト作業時の安全と効率を両立
上級者オペレーターは、周囲の状況把握能力に優れています。
作業エリア内の人の動き、他の車両の位置、通路の状態など、常に広い視野で環境を認識しながら運転しています。
この状況認識能力により、危険を事前に察知し、安全を確保しながらも無駄のない効率的な動線で作業を進めることができています。
常に冷静な作業判断が可能
どんな状況でも冷静な判断を維持できるのも操作が上手い人に共通する点です。
狭い場所での方向転換、不安定な荷物の運搬、予期せぬトラブルなど、様々な場面で焦らず適切な対応を選択できる能力は大きな信頼を獲得できます。
この冷静さは、十分な練習と経験、そして基本への理解から生まれます。一定の時間をかけて技術と知識を積み重ねることで、どんな現場でも活躍できる真のプロフェッショナルとなれます。
フォークリフト操作が下手な人のやりがちな【NG行動】

フォークリフト操作で事故を防ぐために、初心者がやりがちな危険な操作に関して、4つのNG行動を解説します。
一つでも自身が該当していたら、すぐさま改善に努めましょう。
【NG行動①】フォークリフトの急発進・急ブレーキ
フォークリフト運転で最も避けるべきNG行動が、急発進と急ブレーキです。
これらの動作は荷物の落下、車体の転倒、機械への負担増大など、複数の危険を同時に引き起こします。
特にエンジン式やバッテリー式に関わらず、急激な加減速は排気ガスの増加や電力消費の増大にもつながります。
実技試験でも、この点は厳しくチェックされる項目となります。
【NG行動②】フォークの爪の差し込みが浅すぎ・深すぎ
パレット作業における典型的なNG行動が、フォーク(爪)の差し込み深さの誤りです。
浅すぎる差し込みは荷物の不安定さを招き、運搬中の落下や転倒のリスクが高まります。一方、深すぎる差し込みは奥側のパレットや荷物を押してしまい、段積みされた荷物全体を崩壊させたり、荷物そのものを破損させる原因となります。
大切な荷物を扱う場合、破損は絶対に避けなければなりません。万が一破損させてしまった場合、その分を買い取らなければならないケースもあるため、初心者の方は特に慎重な操作が求められます。
適切な差し込み深さは、パレットの前後幅の3分の2程度が目安です。この感覚を身につけるには、さまざまなタイプのパレットで練習を重ね、視覚と車体の位置感覚を磨く必要があります。
【NG行動③】ハンドルの切りすぎ
フォークリフト操作が下手な人は、ハンドルを必要以上に大きく切ってしまう傾向があります。
過度なハンドル操作は車体後部の振り出しを大きくし、周囲への接触リスクを高めます。
特に狭い通路や屋内での作業時には、1回転させるような大きなハンドル操作ではなく、必要最小限のハンドル操作でタイミングを見計らった適度な角度で方向転換することが、上達のコツとなります。
【NG行動④】フォークリフトの重量・重心を把握していない
フォークリフトの重量配分と重心に対する理解不足は、重大事故につながる危険行為です。
カウンターバランスフォークリフトの構造では、後部のウエイトと前部の荷物でバランスを取っていますが、この仕組みを理解せずに操作すると転倒の危険があります。
荷物の重さだけでなく、フォークの高さ、車体の傾斜、旋回時の遠心力など、さまざまな要因が重心に影響します。
機種ごとの特性と物理的な原理を理解し、常に安全なバランスを保つよう心掛けることが、フォークリフトオペレーターとしての最低限かつ最重要のポイントです。
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