
人手不足や物流コストの増加、業務の複雑化など、自社の物流体制に課題を感じている企業は少なくありません。こうした課題を解決する方法のひとつとして注目されているのが、入荷・検品や在庫管理、ピッキング、梱包などの物流業務を専門業者へ委託する「物流アウトソーシング」です。
物流アウトソーシングを活用すれば、コスト削減や業務効率化、物流品質の向上が期待できる一方、委託する業務範囲や業者の選び方によっては、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、物流アウトソーシングの基礎知識や対応できる業務、導入するメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
委託先を比較する際のポイントも紹介しますので、物流業務の外部委託を検討している企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
物流アウトソーシングとは
物流アウトソーシングとは、企業が自社で行っていた物流業務を専門の物流業者に委託することを指します。これにより、物流で必要となるコスト削減や業務の効率化が期待できます。
物流業務には、商品の入荷・出荷、在庫管理、輸送手配など多くの作業が含まれています。そのため、人手不足や保管スペースの確保に困っている企業はぜひとも検討すべきでしょう。
ただし、委託先の選び方を誤ると、トラブルが発生する可能性もあるため注意が必要です。
なお、物流業務全体を包括的に外部委託する形態は「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」と呼ばれることもあります。3PLが物流機能をまるごと請け負う考え方であるのに対し、人材派遣や業務請負によるアウトソーシングは、必要な工程・人員を柔軟に調整しながら委託できる点が特徴です。
自社の課題に応じて、委託する業務範囲や形態を検討することが重要です。
自社物流とアウトソーシングの違い
自社物流と物流アウトソーシングの最大の違いは、「物流業務を自社で運用・管理するか、外部の専門業者(プロ)に一括委託するか」という点です。
- ・自社物流:倉庫での保管・入荷・検品・ピッキング・梱包・発送といった作業や、システムの管理、スタッフの採用・教育まで自社で対応。
- ・物流アウトソーシング:業務を外部委託(外注)することで現場の手間や負担を軽減し、自社のリソースを本業である「コア業務」へ集中させる。
【よくある課題と解決の糸口】
- ・専門人材の確保:フォークリフト等の有資格者の採用・育成には時間とコストがかかるところ、委託すれば必要なタイミングで人員を確保可能。
- ・物量変動への対応:EC事業などの拡大に伴い、繁忙期・閑散期で出荷量や在庫が大きく変動するケースでも、人件費や固定費の変動費化を図り柔軟に調整可能。
物流課題で悩む企業こそ、自社物流からの移行やアウトソーシングの導入・検討することを推奨します。
物流アウトソーシングの対応範囲
企業が物流業務を効率的に運営するためには、様々なプロセスの最適化が不可欠です。物流アウトソーシングでは、入荷から出荷までの各業務を専門業者に委託することで、業務の精度向上やコスト削減が可能となります。
具体的には、入荷時の検品、帳票の発行、在庫管理、ピッキング・梱包といった重要な作業を外部の専門業者が担い、企業の負担をより減らすことができます。ここでは、物流アウトソーシングが対応する主な業務範囲について詳しく解説します。
入荷・検品業務
商品の入荷時には、数量や品質などの商品情報を詳細にチェックする検品業務を行います。検品作業には、目視確認だけでなく、スキャンシステムを活用したバーコードチェックや重量測定などの手法が取り入れられることもあり、このような適切な検品プロセスは欠かせないものになります。
帳票発行
物流の帳票には、受注伝票・発注書や納品書、請求書などさまざまな帳簿が存在します。これによって業務を正確に遂行できるものとなり、取引先とのスムーズなやり取りを実現します。ただ、帳票を自社で管理するとなった場合、書類の管理が煩雑になってしまう点や、手作業によるミスが発生しがちな点などさまざまな問題が発生しがちです。
この点もアウトソーシングに一任してしまうとミスも減り迅速な対応が可能になります。今では、帳票も電子化を推進している企業も増えており、より正確性が向上しています。
在庫管理・棚卸業務
倉庫内の在庫を適切に管理することは、物流業務において非常に重要です。リアルタイムでの在庫状況を把握し、過剰在庫や品切れを防ぎ、適正在庫を維持しなくてはなりません。
さらに、定期的な棚卸業務を行うことで、在庫の精度を向上させ、不明在庫や誤差を最小限に抑えることができます。
ただし、自社管理では在庫管理と棚卸管理に要する人員が必要です。そのため、これらもアウトソーシングに任せることで業務リソースの拡充だけでなく在庫の正確性が向上したりコスト削減につながるメリットがあります。
仕分け・VAN出し業務
入荷した商品を配送先や用途、店舗ごとに仕分ける作業や、伝票・ラベルに基づいて荷物を出荷準備するVAN出し業務も、アウトソーシングで対応可能な業務のひとつです。取扱い品目や出荷先が多いほど仕分け作業は煩雑になり、ミスも起こりやすくなります。
こうした反復性の高い作業を外部に委託することで、現場担当者の負担を軽減しながら、正確な仕分け・出荷準備を継続的に行うことができます。
ピッキング・梱包業務
ピッキング作業は、お客様からの注文に基づいて商品を保管した場所から商品を選び出す重要なプロセスです。適切なピッキング方法(ゾーンピッキング、ウェーブピッキングなど)を導入することで、作業効率を向上させ、誤出荷を防ぐことができます。
また、梱包業務では、商品の特性に応じた適切な梱包材を使用し、輸送中の破損リスクを軽減します。環境に配慮したエコ梱包の導入も近年注目されており、持続可能な物流の実現に貢献できます。
ピッキングや梱包も専門会社に依頼することで、繁忙期の人員確保が不要になり、梱包ミスやピッキングミスを減らすことにつながり、結果コストを安く抑えられるというメリットがあります。
フォークリフト作業
入荷した荷物の荷卸しや倉庫内への格納、出荷時のトラックへの積み込みなど、フォークリフトを使用する業務は倉庫内オペレーションの中でも専門性が求められる工程です。
フォークリフトの運転には技能講習の修了が義務付けられており、無資格での運転は認められていません。フォークリフトに必要な資格の詳細については、フォークリフトの操作に必要な資格とは?条件・講習や試験の流れ・費用について詳しく紹介もあわせて読んでみてください。
社内で有資格者を確保しようとすると、講習の受講手配や費用に加え、離職時の再採用・再教育といった負担も発生します。
こうした業務を外部に委託することで、有資格者の確保・育成にかかる手間やコストを抑えながら、安定した現場オペレーションを維持することができます。
物流アウトソーシングのメリットとは

近年、多くの企業が物流アウトソーシングを活用し、業務の効率化やコスト削減を実現しています。物流業務は倉庫管理や輸送手配など、多くの工程が含まれるため、自社で対応するには膨大な時間とコストがかかります。
しかし、専門業者に委託することで、物流業界に起こりがちな課題を迅速に解決します。
物流アウトソーシングには、主に「コスト削減」「業務効率化」「輸送の品質向上」といったメリットが挙げられます。倉庫の賃料や人件費などの固定費を削減し、必要な分だけのリソースを活用することでコストパフォーマンスの向上が期待できます。
また、専門業者のノウハウや最新技術を活用することで、倉庫内業務の正確性やスピードが向上します。さらに、物流業者の輸送ネットワークを活用することで、輸送ルートの最適化を行うなど結果的に顧客満足度の向上にもつながります。
物流アウトソーシングを導入することで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。
コスト削減
物流アウトソーシングを利用することで、倉庫の賃料、設備投資、人件費などの固定費を削減できます。特に、物流業務は繁忙期・閑散期と変動が多い業界ですが、アウトソーシングは「必要な時に必要な分だけのリソース」を利用できるため、変動費化が可能となり余分なコストがかからずに済みます。具体的な例を挙げると、自社で倉庫を持つ場合は倉庫賃料や人件費、設備維持費がかかります。そのため、たとえば閑散期で空いたスペースがあってもその分の賃料も支払わなくてはなりません。
物流アウトソーシング業者を活用することで、必要なスペース分のみ間借りしてその分の料金のみを支払えば済むため、無駄なコストがかかりません。
業務効率化
物流業務には、多くの作業プロセスが含まれます。例えば、入荷から出荷までの一連の作業を専門業者に委託することで、各プロセスの業務効率化が図れます。最新の倉庫管理システム(WMS)や自動化技術を活用する企業もあり、それによりミスの削減や作業スピードの向上、最大出荷件数の増加に伴う販売拡大が期待できます。
ちなみにWMSとは、在庫管理、商品の入庫、ピッキング(商品の取り出し)、梱包、棚の配置最適化など、倉庫業務でコア業務となるところのサポートをしてくれます。具体的には、過剰在庫や不足の防止、ピッキングの順番の指示など在庫の正確性や倉庫作業のスピードアップに貢献します。
繁忙期の増員対応
セールやキャンペーン、季節要因などで物流量が急増する繁忙期には、その期間だけ人員を増やして対応できる点もアウトソーシングの利点です。自社で正社員を採用して繁忙期に備える場合、閑散期には人員が余ってしまうという課題がありますが、外部委託であれば必要な時期・必要な人数分だけ柔軟に体制を組むことができます。
急な物量変動が読みにくい事業者にとっては、こうした増減への対応力そのものが経営上のメリットになります。
輸送の品質向上
物流業者は、輸送ネットワークやノウハウを持ち、迅速かつ正確な輸送を実現します。
特に、物流業者は輸送ルートの最適化や、リアルタイムでの輸送状況の把握が可能なシステムを活用しているため、遅延のリスクを最小限に抑えることができます。また、クール便や特定商品の取り扱いにも対応している会社もあるため、さまざまな業種のニーズに対応することが可能です。
さらに、フォークリフトを使用した荷卸しや積み込みなど専門知識を要する作業も、経験豊富なスタッフが担うことで、荷物の破損リスクを抑えた丁寧な取り扱いが期待できます。
物流アウトソーシングのデメリットとは
物流アウトソーシングはコスト削減や業務効率化といった多くのメリットがある一方でいくつかのデメリットも存在します。
外部の物流業者に業務を委託することで、社内の負担を軽減できる反面、問題が発生した際の責任の所在が曖昧になることがあります。
また、委託先の物流業者によっては対応できる業務範囲が限られることもあり、事前の確認が重要です。こうしたリスクを理解しないまま物流アウトソーシングを導入すると、思わぬトラブルにつながることもあります。
そのため、アウトソーシングを検討する際には、デメリットについてもしっかりと把握し、適切な対策を講じることが必要です。
委託先選定を誤るリスク
物流アウトソーシングは委託先によって対応できる業務範囲や得意分野、対応品質にばらつきがあります。
自社の課題や業務量に合わない業者を選んでしまうと、期待していたコスト削減や業務効率化の効果が得られないだけでなく、業務の引き継ぎや現場の調整にかえって手間がかかってしまうケースもあります。
また、一度契約してから委託先を変更するには、業務の再引き継ぎなど相応の負担が発生するため、契約前の見極めが非常に重要になります。
次に挙げる責任の所在やノウハウ蓄積、業務範囲の制限といった課題も、多くは委託先選定の段階で見落としがちなポイントに起因しています。
トラブル時の責任の所在が曖昧になりやすい
物流アウトソーシングでは、業務を外部に委託するため、問題が発生した際の責任の所在が曖昧になることがあります。
例えば、遅延や輸送ミスが発生した場合、委託企業と物流業者のどちらに責任があるのかが明確でないケースが多いです。そのため、契約時にトラブル発生時の対応策や責任分担を詳細に取り決めておくことが重要です。
自社にノウハウが蓄積されない
物流業務をアウトソーシングすると、物流に関するノウハウが社内に蓄積されにくくなります。長期的に見て、物流に関する知識が不足すると、業者選定やコスト交渉の際に不利になる可能性があります。
そのため、アウトソーシングを活用しつつも、基本的な物流知識を社内に蓄積・共有する工夫が求められます。
代行業者によっては業務委託の範囲に限りがある
物流業者によっては、取り扱い可能な商品や提供できるサービスに制限がある場合があります。
例えば、温度管理が必要な商品や特殊な梱包が求められる商品などは、一部の物流業者では対応できない可能性があります。委託先の業者が自社の物流ニーズに合致しているかを事前に確認することが必要です。
比較ポイント:物流アウトソーシング業者の選び方
物流アウトソーシング業者を選定する際には、慎重な検討が必要です。
適切な業者を選ぶことで、業務の効率化やコスト削減が実現できる一方、不適切な選定を行うと、業務の滞りやコストの増加といったリスクが発生する可能性があります。そのため、以下のポイントを重視して選定することが重要です。
自社の物流課題への対応
物流アウトソーシング業者を選ぶ際には、自社が抱える物流の目的や課題を明確にすることが重要です。たとえば、輸送スピードの向上、在庫管理の効率化、物流コストの削減など、どの要素を重視するかによって最適な業者が異なります。
それぞれの物流業者の強みや過去の実績を確認し、自社のニーズと合致するかを検討する必要があります。フォークリフト作業のような専門性を要する業務まで対応できるかどうかも、委託先を選ぶ際の確認ポイントのひとつです。
また、できればアウトソーシング委託先の物流現場を見学させてもらうといいでしょう。大量出荷のためのノウハウや実際に働いているスタッフの様子、商品がきれいに整理された状態で収納されているかなどをきちんと見て判断することを推奨します。
見積内容の明確化
物流業務を委託する際には、業務範囲やコストが明確であることが不可欠です。見積もりを取得する際には、基本料金や追加料金の発生条件、各種手数料の詳細を確認することで、後々のトラブルを回避できます。
業務内容の透明性が高い業者を選ぶことで、コスト管理の精度を向上させることが可能です。
導入後のサポートがどこまで対応しているか
物流アウトソーシングを導入した後のサポート体制も重要なポイントです。業務の効率化を図るためには、トラブル発生時の対応速度や、継続的な業務改善の提案ができる業者を選ぶことが望ましいです。
また、システム連携やデータ共有がスムーズに行えるかどうかも、業務の円滑な運用に影響を与えます。
導入までの流れを確認する
物流アウトソーシングの導入は、一般的に「問い合わせ→現状のヒアリング→見積もり・提案→契約→運用開始」というステップで進みます。
この過程で自社の課題や要望をどれだけ丁寧にヒアリングしてくれるか、見積もりから契約までのスケジュール感が自社の事情に合っているかは、委託先を見極める重要な材料になります。
また、契約後すぐに運用を開始できるのか、準備期間がどの程度必要なのかも事前に確認しておくと、導入後のスケジュールにずれが生じにくくなります。
比較検討の最終段階では、こうした導入プロセスの丁寧さも判断基準に加えることをおすすめします。
まとめ
物流アウトソーシングは、企業にとって多くのメリットをもたらす一方で、適切な業者選定が不可欠です。業者を選ぶ際には、自社の物流課題に対応できるか、見積内容が明確であるか、導入後のサポート体制が整っているかといった点を慎重に検討することが重要です。
適切なアウトソーシングを実施することで、コスト削減や業務効率化、輸送品質の向上を実現し、企業の競争力を高めることが可能となります。
物流のアウトソーシングなら関東サービス(株)へ
物流のアウトソーシングをご検討されている企業様は、ぜひ関東サービス(株)に一度お話を聞いてみませんか?
従業員数300名を超え事業所も関東を中心に10店舗以上あります。大手企業との取引も多く、誰もが知っている商品を多く取り扱っていることも関東サービスの強みです。
また、関東サービスではOJTにも力を入れており、半年間先輩社員に同行するため、しっかりと育てる環境が整えられています。風通しが良く社員の声をしっかりと傾聴する先輩が多いため安心してお任せいただけます!
自社物流やアウトソーシングでお困りの企業様、ぜひ一度関東サービス(株)にご相談ください!
関連記事
-
物流業界に向いている人は”こんな人”!活躍できる人の特徴と仕…
物流は人々の生活を支える社会インフラです。 現場の安全・時間管理から...
-
学歴がなくても稼げる仕事12選|稼げる仕事の特徴と転職のコツ
目次1 学歴がなくても稼げる仕事はある!「稼げる」の理由と現状1.1 ...
-
スグ役立つ!フォークリフト運転の”コツ”と操作が上手い人の共…
フォークリフト操作を安全かつ効率的に行うためには、基本動作の習得が不可...



