
警備員の仕事に関心はあるものの、「研修では何を教わるのか」「経験がなくてもついていけるのか」「研修の間も給料は出るのか」と気になって、応募をためらっている人もいるのではないでしょうか。
警備員は、正社員かアルバイトかに関わらず、現場に出る前に研修(新任教育)を受けることが警備業法で定められており、知識がゼロの状態からでも基礎を身につけて仕事を始められます。
この記事では、新任教育20時間で学ぶ内容、研修の日数とスケジュールの例、研修中の給料の扱い、入社後に続く現任教育について紹介します。
目次
警備員は未経験から始めやすい仕事|安全を守るために研修で基礎を学ぶ
「特別なスキルや資格がないと警備員にはなれないのでは」と考える人は少なくありません。
実際には学歴や職歴が問われることはほぼなく、必要な知識は入社後の研修で段階的に学びます。
未経験者でも警備の業務に対応しやすい理由
巡回や誘導といった業務の多くは、確認する順番や手順が現場ごとのマニュアルや警備計画などで明確に決められています。
施設の巡回なら、「どの順路で回り、どの扉の施錠や火の元を確かめるか」、交通誘導なら「車を止めるとき・進めるときに誘導灯や旗をどう動かすか」といった具合に、行動の基準が用意されています。
自分で一から判断する場面は限られており、決められた流れを研修と現場での反復で体に覚えさせていけばよいため、未経験者でも落ち着いて対応できる仕事です。
警備員の研修が法律で義務づけられている理由
警備の業務は手順が決まっている反面、合図を出すタイミングや安全確認を誤ると交通事故やけがに直結しかねません。
例えば片側交互通行の工事現場で、反対側の警備員と連絡を取らないまま車を進めると、対向車同士がはち合わせる危険があります。
警備員は人の命や財産を預かる立場にあり、自己流に任せられない場面が多いため、警備業法によって研修の実施が義務づけられているのです。
研修は応募者をふるい落とすための試験ではなく、現場で困らずに働くための準備期間と捉えましょう。
警備員の研修とは|警備業法で定められた「法定研修」

警備員の研修が会社独自の新人研修と違うのは、法律で実施が決まっている点です。
受ける人や種類を押さえておくと、入社後の流れがイメージしやすくなります。
アルバイト・正社員を問わず研修の受講は必須
警備業法では、警備会社に対して所属する警備員へ教育を行う義務を課しています。
この義務は雇用形態によって変わらないため、正社員や契約社員だけでなく警備員のバイトとして働く場合も研修の受講が必要です。
研修を修了していない人は現場に配属されないため、経験のない人がいきなり現場に放り出される心配はありません。
研修の指導を担当するのは、公安委員会から資格者証の交付を受けた「警備員指導教育責任者」と呼ばれる有資格者です。
なお、新任教育は警備会社ごとに行うもののため、転職先では受け直すことになります。
研修は「新任教育」と「現任教育」の2種類
法定研修は、これから警備の仕事に就く人が受ける「新任教育」と、すでに働いている警備員が受ける「現任教育」に分かれています。
両者の違いは次のとおりです。
|
区分 |
対象者 |
教育時間 |
目的 |
|---|---|---|---|
|
新任教育 |
これから警備業務に従事する人 |
20時間以上 |
業務に必要な基礎知識と技能を身につける |
|
現任教育 |
現職の警備員 |
年度ごとに10時間以上 |
知識と技能を維持し、向上させる |
未経験者がまず関わるのは、新任教育です。
未経験者が受ける新任教育20時間の内容

「20時間も何を学ぶのだろう」と身構えてしまう人もいるかもしれません。
新任教育は、どの業務にも共通する「基本教育」と、配属先の仕事に特化した「業務別教育」の二本立てで構成されており、それぞれ10時間以上が割り当てられています。
基本教育(10時間以上)で学ぶこと
基本教育では、警備業法といった関係法令の基礎を学びます。
警備員には一般の人と異なる特別な権限がない点など、仕事の範囲を正しく理解しておくことが現場でのトラブル防止につながるためです。
- 警備員としての心構え
- あいさつ
- 言葉遣い
- 服装
といった、接遇のマナーも扱います。
警備員の身だしなみや受け答えは、そのまま会社の信頼に影響するからです。
座学の後は実技で、敬礼や姿勢などの基本動作を覚えます。
さらに、
- 事故や急病人が発生したときの対応
- 上司や関係先への報告と連絡の手順
- 応急救護の方法
など、緊急時に慌てないための訓練も含まれます。
業務別教育(10時間以上)で学ぶこと
業務別教育は、配属予定の業務区分に合わせた実践的な内容です。
例えば、
- 施設警備(1号業務)……巡回のルートの回り方や出入管理、不審な状況に気づくための警戒の方法
- 交通誘導(2号業務)……車両や歩行者を誘導する合図の出し方、誘導灯や手旗の扱い、無線を使った連絡の取り方
などを学びます。
実技では、講師や受講者同士で役割を分けたロールプレイを行い、実際の現場を想定した練習を重ねるのが一般的です。
業務区分ごとの仕事内容については「警備員の仕事内容を解説!種類や役割、1日の流れも紹介」で詳しく紹介しています。
研修修了後は現場で実地教育を受ける
20時間の研修を終えたら、現場で先輩警備員の指導を受けながら経験を積みます。
研修で学んだ動作も、実際には交通量や施設の状況に応じて使い分ける必要があるからです。
配属直後から一人で持ち場を任されるケースは少なく、わからないことをその場で訊けるので、未経験でも不安を小さくして現場に入れます。
新任教育は何日かかる?日数とスケジュール例
研修が決まったら、何日予定を空けておけばよいかも気になるところです。
20時間という時間数から、おおよその日数と一日の過ごし方を想像しておきましょう。
3日間程度で修了するのが一般的
新任教育の20時間は、3日間ほどに分けて実施されるケースが多く見られます。
例えば、一般社団法人東京都警備業協会が開催している新任教育では、基本教育10時間と業務別教育10時間を3日間の日程で行っています。
日程の組み方は警備会社によって異なっており、平日に連続して行う会社もあれば、学生や副業の人に配慮して土日に実施する会社もあるため、応募時に確認しておくと安心です。
3日間のモデルスケジュール例
3日間で実施する場合の流れの一例です。
|
日程 |
時間配分 |
主な内容 |
|
1日目 |
基本教育6時間 |
オリエンテーション、警備業法などの法令、心構え |
|
2日目 |
基本教育4時間、業務別教育3時間 |
基本動作の実技、緊急時の対応、応急救護 |
|
3日目 |
業務別教育7時間 |
業務別教育(誘導・巡回の実技、ロールプレイ)、確認テスト |
前半でルールを理解し、後半で体を動かして覚える構成のため、研修を終える頃には現場での動きを具体的に想像できるようになるでしょう。
研修中の給料はどうなる?

「研修期間は無給なのでは」と、心配する声もよく聞かれます。
ここでは研修中の給与の扱いや、入社前に確かめておきたい条件、入社後に続く教育について説明します。
研修期間中も給料は支払われる
会社が受講を義務づけている研修は労働時間にあたるため、警備員の新任教育も原則として研修時間分の給与が支払われます。
ただし、研修時の時給や日給が通常勤務と別の金額になる、または研修手当として定額で支給される、という場合もあります。
支払い方法や条件は事前に確認しておく
日払いや週払いの制度がある会社でも、研修期間中から利用できるかどうかは会社によって対応が分かれます。
また、研修だけ受けてすぐ辞めた場合の給与の扱いも、事前にルールを把握しておくと入社後のすれ違いを防げます。
面接や説明会では、次の点を確認しておくとよいでしょう。
□ 研修中の時給や日給はいくらか
□ 研修手当は支給されるか
□ 日払い・週払いは研修中から利用できるか
□ 研修は何日間で、土日に実施されることはあるか
□ 研修だけで辞めた場合、給与はどう扱われるか
□ 制服は研修の段階から貸与されるか
□ 当日の服装や持ち物に指定はあるか
入社後も続く「現任教育」とは
現場に出た後も、警備員は年度ごとに10時間以上の現任教育を受けることになっています。 身につけた知識と技能を維持・向上させるためです。
法令の改正点や事故事例の共有、基本動作の再確認などを通じて学び直すため、 自己流の癖がつくのを防ぎながら安全に働き続けられるでしょう。
警備員の研修に関するよくある質問

Q.研修で落ちることはある?
A.新任教育は受講すること自体が目的であり、まじめに参加していれば修了できるのが一般的です。
確認テストがある場合も、研修で習った基本的な内容から出題されることが多いでしょう。
Q.体力や記憶力に自信がなくてもついていける?
A.研修では講師が基礎から順を追って指導しており、未経験者やシニア世代でも受講可能です。
わからない点はその場で質問でき、一度で覚えきれなくても現場での実地教育で補えます。
Q.研修時の服装や持ち物は?
A.実技で体を動かすため、服装は動きやすいものが基本です。
会社によっては、研修の段階から制服が貸与される場合もあります。
持ち物は筆記用具や身分証などが一般的ですが、事前に案内される内容に従って準備してください。
Q.転職や掛け持ちをする場合、研修は受け直す必要がある?
A.新任教育は警備会社ごとに実施する義務があるため、転職や掛け持ちで別の警備会社で働く場合は前の会社の研修は引き継がれず、新しい会社で改めて受講します。
一方で、経験者向けの短縮制度もあります。
最近3年間のうちに当該業務に通算1年以上従事した経験者は、新任教育が7時間以上に短縮されるのです。
また、警備業務検定の1級または2級に合格して証明書の交付を受けている人がその資格に対応する業務に就く場合、新任教育が免除されます。
自分が短縮や免除の対象になるかは経験年数や資格の区分によって変わるため、応募先の会社に事前に確認しておきましょう。
警備の仕事に興味がある人は関東サービスへ
研修の流れがわかって、警備の仕事を始めるイメージを抱きやすくなったのではないでしょうか。
関東サービスでは、幅広い職種でアルバイトから正社員まで多様な働き方を支援しています。
警備のお仕事は、今後さらに拡充していく予定です。
未経験から警備員を目指したい人や、自分に合った働き方を探している人は、ぜひ関東サービスにご相談ください。
また、研修の先のステップとして資格取得を考えている人は「警備員の資格一覧と取得方法|未経験からでも目指せる資格」を、仕事の全体像を知りたい人は「警備員の仕事内容を解説!種類や役割、1日の流れも紹介」もあわせてご覧ください。
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