
フォークリフトは「何トン積めるか」だけでなく、車両重量(自重)も安全性に直結します。
重いほど安定しやすい一方、床の耐荷重や旋回時の慣性には注意が必要です。
本記事では主要4タイプの車両重量と許容荷重を比較し、現場に合う選び方などをご紹介していきます。
目次
【種類別】フォークリフトの車両重量と許容荷重を比較
フォークリフト名 |
車両重量(目安) |
許容重量(目安) |
特性 |
|---|---|---|---|
|
カウンターフォークリフト |
約3〜5トン |
約1.5〜2.5トン |
後部カウンターウェイトで安定性が高く、2トンクラスでも転倒しにくい。床耐荷重や旋回時の慣性に注意。 |
|
リーチフォークリフト |
約2〜3.5トン |
約1〜2トン |
伸縮機構+コンパクト設計で狭い通路に強い。床への負担が少なく、高密度倉庫で効率的。 |
|
電動フォークリフト |
約2〜4.5トン |
約1.5〜3トン |
バッテリーがカウンター役で低重心・安定。静音で屋内の長時間作業に向く。 |
|
ガソリン・ディーゼルフォークリフト |
約3〜5.5トン |
約2〜4トン |
エンジン+重量で高出力。屋外・不整地・悪天候でも力強く稼働し、重量物運搬に強い。 |
※具体的な数値はメーカーやモデルごとに異なります。
カウンターフォークリフトの車両重量と許容荷重
カウンターフォークリフトは、車両後部に重いカウンターウェイトを備え、前方の重量物とバランスを取る設計です。
このカウンターウェイトによって車両重量は約3トン~5トン程度になり、前方に2トンクラスの荷物を積載しても転倒しない安定性を確保しています。許容荷重は大凡1.5トン~2.5トンまで対応可能です。
重量があることで安定性は高まりますが、床の耐荷重や旋回時の慣性に注意が必要です
リーチフォークリフトの車両重量と許容荷重
リーチフォークリフトは、フォークを前後に伸縮させる機構を持ちながらもコンパクトな車体設計のため、車両重量は約2トン~3.5トン程度に抑えられています。
許容荷重は1トン~2トンまで対応可能で、高密度な倉庫環境でも効率的な運搬作業が可能です。軽量設計により床への負担が少なく、狭い通路でも機動的に作業できることが最大の利点です。
電動フォークリフトの車両重量と許容荷重
電動フォークリフトは大容量バッテリーを搭載するため、車両重量は約2トン~4.5トン程度になります。バッテリーの重さ自体がカウンターウェイトの役割も果たし、環境に優しく、多くの産業現場で採用されています。
許容荷重は約1.5トン~3トンまで対応可能で、バッテリー重量により低重心で安定性が高く、静音性にも優れるため、屋内の長時間作業に最適です。
ガソリン・ディーゼルフォークリフトの車両重量と許容荷重
ガソリン・ディーゼルフォークリフトは、大型エンジンとカウンターウェイトを搭載するため、車両重量は約3トン~5.5トン程度と最も重くなります。この重量により高出力とパワフルな走行性能を備え、重量物の運搬にも対応できます。
許容荷重は約2トン~4トンまで対応可能で、屋外の建設現場や荷物の積み下ろしが頻繁に発生する物流拠点で活躍します。車両重量が大きいため不整地でも安定性が高く、悪天候下の屋外作業でも力強く稼働できる点が強みです。
フォークリフトの重量・最大許容荷重の見方(コーションプレートをチェック!)
フォークリフトを安全に運用するためには、車両重量や最大許容荷重を正確に把握することが不可欠です。
ここでは、それら情報の記載がされたコーションプレートの見方と、特に重要な荷重中心距離について解説します。
コーションプレートの位置と確認方法
フォークリフトの車両重量や許容荷重を正確に把握するには、【コーションプレート】の確認が重要です。
通常、運転席周辺やフレーム部分の目立つ場所に取り付けられており、最大積載量や自重などの基本情報が記載されています。これらは安全な作業を行う上で欠かせない指標です。定期点検時にもこの情報を基に機械の状態をチェックします。
フォークリフトの種類によって適した使用条件が異なるため、扱う機種の仕様をしっかり理解することが大切です。
荷重中心距離とは?重要性を解説
荷重中心距離は”フォーク先端から荷物の重心までの距離”を指し、コーションプレートに記載がされている重要な情報です。
重量物を扱う際は特に正確な把握が必要で、多くの現場では事前計算や仕様書を基に作業計画を立てています。
機種ごとに推奨距離が異なるため、それぞれの特徴を理解して使用することが効率的かつ安全な運搬につながります。また、後付け可能な重量計などの新技術を活用すれば、リアルタイムで情報確認でき、さらなる安全対策が可能です。
フォークリフト最大許容荷重ごとの「操作・積み方」のコツ
フォークリフトごとの許容荷重の範囲によって、重心の取り方や積載時の注意点が大きく異なるため、作業前に機種の仕様を正確に把握しておく必要があります。
以下では、許容荷重ごとの確認・意識すべき点や操作のコツ・ポイントを解説します。
最大許容荷重【1トン以下】
最大許容荷重1トン以下のフォークリフトは、軽量荷物の運搬に適した機種です。
操作時は荷物の重心位置を正確に把握し、フォークのツメを荷物の中心に挿入することが安全作業の基準となります。
積載時は定格荷重未満を厳守し、荷物の重さをkg単位で確認してください。狭い通路での作業では車体寸法(全長・全幅)を意識し、慎重な操作を心がけましょう。
最大許容荷重【1〜2トン】
最大許容荷重1~2トンのフォークリフトは、メーカーが定める定格荷重を厳守し、荷物の重心位置(中心からの距離mm単位)を正確に把握することが安全作業の基準です。
車体寸法(全長・全幅)を意識し、車両重量とバランスを考慮した積載を行いましょう。
作業前にコーションプレートで型式・エンジン出力・許容荷重(kg表記)を確認し、技能講習で学んだ位置調整の技術を活かすことで、レンタル機械でも即戦力として安全な運搬が可能になります。
最大許容荷重【3トン以上】
最大許容荷重3トン以上のフォークリフトは、大型重量物の運搬を想定した高出力機種です。
操作前には必ずコーションプレートで型式・エンジン出力・定格荷重を確認し、メーカーが定める仕様基準を遵守してください。
重量物では荷重中心距離が安定性に大きく影響するため、積載前に正確な測定を行い、フォークを適切な深さまで挿入することが重要です。
車両重量が約3〜5.5トンあるため、旋回時の慣性や床の耐荷重にも十分注意し、低速での慎重な操作を徹底しましょう。
フォークリフト事故事例|重量・許容荷重を把握していないと危険!
フォークリフトの車両重量と許容荷重を正確に把握せずに作業を行うと、転倒や挟まれなどの重大事故につながる危険性があります。
ここでは、重量・許容荷重の把握不足が招いた実際の事故事例を3つご紹介し、安全作業のために押さえるべきポイントを解説します。
事故事例1:傾斜地片フォーク吊り転倒挟まれ事故

出典:偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった|労働災害事例|職場のあんぜんサイト|厚生労働省
■事故概要
配送先で精米用米入りフレキシブルコンテナをフォークリフトで荷降ろし中、5段積みパレットへ載せた際に荷が建物側へ倒れたため、傾斜路でロープを吊り具に通し左フォーク1本に掛けて引き起こしを試みたところ、荷重が偏った状態で車体が左に転倒し、ロープを持っていた被災者がバックレスト部と地面の間に挟まれた。
■発生原因
- ・荷の重量・重心未確認のまま用途外の吊り上げ作業を実施。
- ・1本フォークでの偏荷重により許容荷重・安定余裕が低下。
- ・傾斜地で横向き作業し、斜面による転倒リスクを未評価。
- ・作業計画・指揮者・教育が不足し、重量確認を手順化できなかった。
事故事例2:最大荷重付近二本運搬で転倒

出典:フォークリフトが横転し、カウンタウエイトの下敷きになる|労働災害事例|職場のあんぜんサイト|厚生労働省
■事故概要
倉庫で段ボール用ロール紙を整理中、必要な幅150cmロールが下段にあり、幅130cmロール(約950kg)を移動した後、ロールクランプ付フォークリフト(最大荷重2トン)で最上段を扱おうとしたが揚高不足のため、上から2段目を把持したまま最上段ロールを載せて2本同時に走行し、急左旋回で車体が左転倒した。
■発生原因
- ・2本同時運搬時に合計重量が最大荷重に近いことを未確認で運搬。
- ・上段積載のまま走行し、荷の重心が高く不安定な状態(実質許容荷重低下)を見落とした。
- ・重量表示・運搬ルール・教育が不足し、走行前の重量確認と操作制限を徹底できず、急旋回で転倒した。
事故事例3:3トン荷を2.5トン機で降ろし転倒挟まれ事故

出典:移送されてきたフォークリフトが荷降ろし中に横転し、その下敷きとなる|労働災害事例|職場のあんぜんサイト|厚生労働省
■事故概要
商品倉庫移設で、自重3トンのバッテリーフォークリフトを低床トラックで搬入後、倉庫備え付けの最大荷重2.5トンフォークリフトに差しフォークを装着し、トラック荷台後方に鋼板パレットを寄せて降ろそうとした。
重量確認が不十分なまま作業中に支持側が横転し、運転者が投げ出され挟まれた。
■発生原因
- ・荷の自重3トンを把握せず、最大荷重2.5トン機で作業(許容荷重超過)。
- ・差しフォーク装着で荷重中心距離が伸び、実効許容荷重低下を未確認。
- ・パレット耐荷重・沈み込みを未考慮で、後退・進入変更により荷重中心が前方移動。
- ・重量条件に合う手順(1台ずつ降ろす/別機械使用等)を作業計画化せず。
- ・無資格運転かつ指揮者不在で、重量確認と方法是正が未実施。
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