トップメッセージ
戦略的アウトソーシングへの展開
弊社の創業は1988年。人材業が世の中から脚光をあびる以前から事業を開始し、この20数年、人材業ひとすじで事業を展開してきました。世の中では、時代と共に様々な問題が提起されてきましたが、私たちが胸を張って言えるのは、常に「顧客企業」「スタッフ」そして私たち「会社」の三者にとって喜びのあるサービスを提供し続けてきたということです。このことは今後も決して変わることはありません。
「戦略的アウトソーシング」は、その点において優れたビジネスモデルであると考えています。顧客企業にとっては事業の一部門を、PDCA(Plan→Do→Check→Act)を含めて手離れすることが出来ます。ノウハウと実務をアウトソースするこのモデルはIT業界を皮切りに物流や製造においても、ここ数年で定着をしてきました。
また、派遣社員と異なりアウトソーシングのサービスは弊社の正社員で運営されますので、より多くの正社員を雇用することで多くの人財に安定をもたらします。関東サービスは理念の中で「企業の可能性と人材の可能性の最大化」を謳っていますが、その接点となるのが「人財力」です。
あらゆる人材に対し成長できる教育と環境を提供し、育った「人財力」を良質な労働力として企業に提供する。その背景には、私たち特有の育てる風土があります。
お客様の事業の一部門をお預かりする私たちのサービスの要は「人財力」。一人ひとりが伸び伸びと楽しく仕事をし、成長する風土。それが私たちの強みです。
育てる風土をベースに開発した社内マスター制度
「人財力」は、創業以来、私たちが大切にしてきた育てる風土をベースにした評価システムにより維持されています。
まず、「人財力」の定義は(1)各専門職において力を発揮する「業務遂行力」、(2)顧客へのサービス価値を理解し客観的視野で力を発揮する「課題発見力」、そして、(3)部署内や隣接部署との会話を怠らずチームで力を発揮する「課題解決力」の3つです。
スタッフは自分の生活スタイルにあった雇用形態を選択でき、雇用形態とは切り離した社内マスター制度によって評価が行われます。
この制度の根底にある考え方は「人にはそれぞれ得手不得手があり、得意な分野で補完し合うチーム力によって成果を上げる」というものです。一人が“スーパーマン”になることは考えにくいことですし、“スーパーマン”がいなくなれば成果もあげられないとなると組織の意味がありません。
安定的に成果を創り出す力を維持していくには、この考え方は正当であると考えています。そもそも私たちの社会そのものがそのように出来ており、得意分野を持ち寄ることで社会が成り立っていることを考えれば、当たり前のことに過ぎないでしょう。
スタッフはマスター制度の指標により、「自分は何ができて、何ができないのか。そして、次に何を目指せば良いのか」を常に自覚し成長します。己を知り、透明なシステムを理解することで、自分の評価にも他人の評価にも納得して成長して行くことができるのです。
スタッフ一人ひとりが伸び伸びと楽しく仕事をし、成長する風土が「人財力」を育む。この背景によって「人財力を強みとした戦略的アウトソーシング」を提供できているのです。
人を育て、自分も育っていく関係。初めてのことに戸惑いながら、気がつけば自分も育っている。そんな母親としての子育ての経験とそればとてもよく似ています。
まるで大家族のような空気
弊社は創業以来、「人財を大切にする」こと、言い換えれば、「育てる」ことに重きを置く会社風土を培ってきました。若い社員からみれば、お父さんやお母さん、もしくはお爺ちゃんやお婆ちゃんのような年齢差の社員たち。まるで大家族のような空気。この「家族のような」空気が弊社特有のものだと思っています。
若い社員をどう育てればいいのか、考えながら先輩社員も育っていく。私自身も現場時代から、その繰り返しで成長してきたように思います。子供を育てる時、初めてのことに戸惑いながら、気がつけば自分も育っている。そんな母親としての子育ての経験と、それはとてもよく似ています。
ひとつの仕事を、職場を、よくするために本気で話し、互いに成長していく。「生真面目さ」と「壁のないコミュニケーション」。その「家族のような」風土が私たちの誇る「人財力」のベースにあると思います。
お客様の事業の一部門をお預かりするアウトソーシングにおいて、この「人財力」は欠かせないものであり、私たちの最大の強みです。
今年入社した新卒社員も野田営業所ですくすくと成長しています。飲み込みの早い新卒社員に頼もしさを感じながら、やがて彼、彼女らが次世代を育てていくことを思うと、会社と家族というものの本質をみているようで、私たちの会社の方向性は間違っていない、という気持ちが込み上げてきます。
人材業として存続する価値
戦略的アウトソーシングへの展開の一方で、新しい取り組みも始めています。シニア層の雇用創出。それは高齢化社会を迎える現代日本において人材業が担うべき課題です。公的な活動としては、早くから江戸川区が取り組んでおり、それをモデルケースとした展開を民間企業である我々も行っていこう、というもの。高齢の社員も多数在籍する当社にとっては、とても自然に受け入れられる事業であると思っています。
また、東北地方での中途採用活動を行っており、東北での新卒採用も本年は行っていきたいと考えています。幸いにも弊社には社員寮があり、受入れ体制も整っていることから、震災直後からこの活動は行っています。
震災直後の面接会では10数名に参加いただき、ほぼ全員を採用しました。交通機関もほぼ壊滅状態でしたので、車での送迎を行い、現在は各営業所で仕事をしてもらっています。
雇用を求める人がいれば、出来る限りの雇用を創出し、企業が求める人財にまで育て上げ、労働力として提供すること。それが人材業の務めであり、それを行うことで世の中に私たちの価値は認められるのだと思います。
かつて日本人が尊重した「人情」や、古く日本企業が培った「育てる風土」がある会社。私たちは顧客企業への貢献と社会への責任を果たし、私たち「らしさ」である風土を守りながら、人材業として存続する価値を世の中に認められながら、邁進していきたいと思っています。